梅雨やゲリラ豪雨の時期、頼りになるのが雨雲レーダーです。
最近は色々な雨雲レーダーのサービスがありどれを選んで良いのか迷ってしまいます。
当サイトの管理人も本業は外回りの仕事なのでアプリの雨雲レーダーをよく利用していますが、雨雲レーダーに雨が表示されていないのに雨に降られて「なんでやねん!」と思った事が多々あります。
何故そういった事が起こるかというと、従来の気象レーダー(Cバンドレーダー)だと1時間に1mm以下の降雨は検知出来ないからというのが理由です。
また、Cバンドレーダーでは高度2000m以下の降雨も正確には分からないそうです。
そんな中、より低い高度と弱い雨まで観測出来る精度の高いレーダーを利用した降雨情報システムを見つけました。
それが【東京アメッシュ】です。
Contents
東京アメッシュとは
【東京アメッシュ】とは、東京都下水道局が運営する東京地方限定の降雨情報システムです。
東京下水道局では、ゲリラ豪雨などの局地的な降雨を即座に把握し、ポンプ所の運転管理を適正にする為に気象庁とは別の気象レーダーが利用されています。
東京アメッシュのここがスゴイ
XバンドMPレーダー
【東京アメッシュ】で使用しているのはXバンドMP(マルチパラメータ)レーダーと言います。
XバンドMPレーダーは電場が水平方向に振動する電波(水平偏波)と垂直方向に振動する電波(垂直偏波)の両方を同時に送受信出来る二重偏波レーダーを使う事により従来よりも精度の高い観測が可能です。
観測距離は半径50kmとCバンドレーダーの120Kmには及ばないもののCバンドレーダーよりも緻密な観測が行えます。
緻密な区画表示の解像度
気象庁のCバンドレーダーで観測される降雨量の解像度は1Km単位ですが、【東京アメッシュ】で使われてるXバンドMPレーダーでは現在150m単位というより細かい区画(メッシュ)で表示が可能です。
参考:国立研究開発法人防災科学技術研究所「降雨観測例」
http://mp-radar.bosai.go.jp/obsex.html
高い観測精度
気象庁のCバンドレーダーでは1mm以下の降雨の観測が困難でしたが、XバンドMPレーダーにより0.3~1mm/hの弱い降雨についても検出が出来るようになってます。
雨雲レーダー各社の比較
次の画像は杉並区で小雨が降っていた時のものです。各雨雲レーダーアプリと比較してみます。
先ずは【東京アメッシュ】
真ん中にある中央線より南まで雨が降っているのが分かります。
同時刻のYahoo天気の雨雲レーダー
アメフリ
雨時雨
以上のように【東京アメッシュ】以外の雨雲レーダーには中央線より北の数カ所にしか雨の表示はありません。
【東京アメッシュ】以外ではこうした1mm以下の弱い雨は観測されません。
情報がタイムリー
従来のCバンドレーダーでは観測から情報の配信まで10〜15分かかっていましたが、XバンドMPレーダーでは2分と大幅に短縮され、タイムリーな情報が提供されています。
参照:国土交通省「参考資料」XバンドMPレーダーについて
https://www.mlit.go.jp/common/000165825.pdf
注:こちらの資料は古いの観測面積のメッシュ数が250mになってますが、現在【東京アメッシュ】では150mになっています。
東京アメッシュの口コミ
東京都知事もオススメ
【台風19号】 東京アメッシュにて降雨状況をお知らせしています。https://t.co/iu1XbBsYSt #台風19号
— 小池百合子 (@ecoyuri) October 10, 2019
TBSのお天気キャスター増田雅昭さん
関東、一部で弱い雨が降っていますね。
きょうのように、低い雲から降る弱い雨は、雨雲レーダーに現れていないことも多いのですが、東京アメッシュではとらえている場合があります。
これから梅雨時にかけて、こういうことがけっこうありますよ。雨雲の見方の豆知識でした。https://t.co/47SYwnJD34 pic.twitter.com/RLZ6DOmk3i
— 増田雅昭 (@MasudaMasaaki) May 18, 2020
学校もまだ再開のお知らせ来ないし、やりたいことは別にやらなくてもいいことだったりする勢なので、行動の優先順位が天候によって左右されがちな今日この頃。今週雨がちみたいなので、東京アメッシュ(名前が昭和なのにすごく役に立つあぷり)で雲の感じを見ながら予定を決めます…
— たな⋈ぽんぽこほん (@ta7pon) May 19, 2020
因みにこんな場合も↓
神楽坂、小雨です〜。
東京アメッシュで雲ひとつないなか、傘を持たずに出てきたらこの有様です。
めずらしく変わりやすい今日の東京のお天気。お出かけの際はお気を付けて〜。https://t.co/L5DTd2vIr0
ちなみに、
東京アメッシュは東京都下水道局が運営してるんですね〜。そびっと学んだ。— そびっと (@soubi_kgrzk) January 14, 2020
【東京アメッシュ】でも0.3mm未満の降雨は観測出来ないのでこうした事も起こり得ます。
問題点も
【東京アメッシュ】は名前の通り東京周辺しかカバーしていないので地方の場合他のシステム使うしかありません。
その場合、新たなCバンドMPレーダーとXバンドMPレーダーを併用した雨雲レーダーアプリ【XRAIN 】がありますのでそちらをご利用下さい。
そして高精度の気象レーダーを利用している【東京アメッシュ】ですが、観測した情報の提供サービスであり、残念ながら予測システムではありません。
これから降る雨の予報については現時点までの雨の推移を動画面から予測するしかありません。
オススメの使い方
そこでオススメするのが他のアプリとの併用です。
管理人は空を見て雨が降りそうだと思った時は【東京アメッシュ】で今までの状況を確認し、他の雨雲レーダーのアプリで今後の雨雲の様子を確認するという方法をとっています。
【東京アメッシュ】スマホ版の登録方法
【東京アメッシュ】はスマホにも対応しています。
ホーム画面にショートカット用のアイコンを登録しておけばアプリのようにアイコンをタップするだけですぐにサイトの降雨状況画面が開きます。
今回はiPhone(ios端末)で説明いたします。
登録方法
デフォルトのブラウザ「Safari」で【東京アメッシュ】のスマホ用のサイトにアクセスします。
こちらからもアクセス出来ます。↓
https://tokyo-ame.jwa.or.jp/index.html
画面下の共有ボタンをタップ。
共有先の選択画面が開くので上にスクロールさせます。
+マークのホーム画面に追加をタップ。
右上の追加ボタンをタップ。
ホーム画面にアイコンが表示されます。
アイコンをタップすればホーム画面の降雨状況がすぐに表示されます。
降雨の推移の確認
画面左下の動画再生ボタンをタップすると2時間前からの東京地方の降雨状況が動画で表示されます。
隣の時間軸選択スライダーで時間を指定して見る事も出来ます。
勿論、知りたい地点の拡大表示も出来ます。
画面右下の+マークをタップ。
マップが拡大されます。後は指でスワイプして見たい地域を探すだけです。
まとめ
東京下水道局が提供する降雨情報システム【東京アメッシュ】は高精度のXバンドMPレーダーを利用しており、
・細かい区画の解像度が表示される
・従来のレーダーでは観測不能の1mm以下の降雨も観測
・観測から情報配信までのタイムラグを2分と短縮
という特性を持って東京地方の緻密な降雨情報をイチ早く提供してくれます。
皆さんも是非【東京アメッシュ】活用してみて下さい。
