2020年12月末、新型コロナウイルス感染症の拡大が止まりません。欧米程ではないですが、国内での一日の感染者は4000人に迫り医療体制の崩壊が危惧されています。
このままではいずれ医療機関はパンクしてしまい新型コロナウイルス以外の疾患での治療も受けられないという状況が訪れるでしょう。
この医療崩壊という状況をを避ける為には、私達がこれ以上医療機関に負担をかけないように新型コロナに感染しても重症化しないよう努める必要があります。
ご存知の通り新型コロナウイルス感染症では子供や女性、若い人においては無症状や軽症者が多く、高齢者や男性は重症化するといった二極化が起こっています。
この差は一体なんなのでしょうか?
最近の報道では生活習慣病などの基礎疾患がある事が重症化の要因としても挙げられています。
糖尿病などの生活習慣病のある感染者は免疫系の暴走を起こし血管を詰まらせる血栓症による合併症の重度化が報告されています。
この免疫系の暴走を起こさないような身体作りをする事で、新型コロナウイルス感染症の重度化を防げるのではないか?管理人はこのように考え、身近な生活習慣の中で出来る事を個人個人が行う活動を提案したいと思います。
名付けて対新型コロナウイルス活動(Anti COVID-19 Activity)、通称【ACO活】です!
Contents
ウイルスに感染しない事はあり得ない
皆さんも新型コロナウイルスに感染しないよう努力されてると思いますが、そもそもウイルスに感染しない事は可能でしょうか?
ウイルスとは何か
ウイルスとは何でしょうか?
Wikipediaによれば、
他生物の細胞を利用して自己を複製させる、極微小な感染性の構造体で、タンパク質の殻とその内部に入っている核酸からなる。 生命の最小単位である 細胞やその生体膜である細胞膜も持たないこと、小器官がないこと、自己増殖することがないことから、生物かどうかについて議論がある。
参照:Wikipediaより
とあります。
ウイルスが生物かどうかは別として、他生物の細胞を利用して自己を複製するという機能でその存在を維持するものです。
この機能は本能であり太古の昔からずっと維持されてきたものです。
こうした本能は存在の本質であり、これに逆らう事は出来ません。
感染する事を想定して備える

ウイルスに罹らない事には限界あるのです。その証拠にどんなに予防しても院内感染は起こっています。専門家の医療従事者でさえそうなのです。
我々のような一般人が完璧にウイルスを封じ込める事はまず無理でしょう。
ならばどうすれば良いのか?
感染しないようにする事だけでなく、感染しても医療機関に世話にならないように軽症、あるいは無症状で済むように備える事が必要です。
【対新型コロナウイルス活動 ACO活】
公的な対策が期待出来ない中で新型コロナウイルスに対して今自分達で出来る事は二種類に分かれると思います。
①感染しない為の方法
②感染した事を想定した上での対策
①の感染しない為の方法は既に耳にタコが出来るくらいメディアで流されおり皆さんも実践されてると思います。
つまり、
・マスクの着用
・接触箇所の消毒
・ソーシャルディスタンスの保持
・外出の自粛
などです。
コチラに関しては徹底する事以外に出来る事はありません。各々の理性に沿って今後も意識的な努力をして頂きたいと思います。
私が提案するのは、②の感染した事を想定した上での対策です。先ほども書きましたが完全にウイルスの感染を防ぐ事は出来ません。
だとすれば感染した時の事を考える必要があります。
感染した際に最も避けなければならない事は何でしょうか?
それは重症化しない事です。
重症化しなければ医療機関を圧迫せず医療システムの破綻を防げます。新型コロナウイルス感染症だけでなくそれ以外で医療機関に掛かる人を守る事にも繋がります。
新型コロナウイルス感染症に罹っても重症化しない為の身体作りを個人個人が日常の生活から取り組んでいこうというのが対新型コロナウイルス活動 【ACO活】の趣旨です。
重症化する仕組み
問題の解決には、まず原因を知っておく事が必要です。
では何が新型コロナウイルス感染症の重症化の原因なのでしょうか?
新型コロナウイルス感染症が肺炎を起こす事は有名ですが、最近はそれ以外の合併症で重症になり死亡するといった例が多数報告されています。
血栓症
日刊ゲンダイDIGITALの記事内で東邦大学医学部名誉教授で循環器専門医の東丸貴信医師はこのように述べています。
この病気は当初は新型肺炎といわれ、ウイルスもSARS―COV2と命名されていることから、上気道から肺にかけての呼吸器感染症とみなされてきた。
しかし、いまは心臓や血管の炎症、腎臓障害、消化管炎症、脳神経炎、そして急性心筋梗塞や脳梗塞といった血栓症を生じることが明らかになっている。中略
いまや世界中の精力的研究により、新型コロナ感染症の本態は血管内皮障害であることが証明されつつあるという。
参照:日刊ゲンダイDIGITAL
日本血栓止血学会も次のように発表しています。
新型コロナウィルス感染では、発熱や咳等の呼吸器症状が最も頻繁に現れますが、血管に炎 症を起こし血栓症を発症することもあります。特に重症者では血栓症(深部静脈血栓症、肺 血栓塞栓症、脳梗塞、心筋梗塞等の動静脈血栓症)を発症する頻度が高く、全身症状を悪化 させる因子となっています。
このように血管内の梗塞が重症化の原因として問題視されています。
では、この血栓はどうして起こるのでしょうか?
サイトカイン
血栓が出来るのにはサイトカインという物質が関わっています。
サイトカインとは、マクロファージやTリンパ球といった免疫系細胞などから放出されるタンパク質で、細菌やウイルスといった異物が体内に侵入した際に他の細胞にそれを伝達をする役目として放出されます。
新型コロナウイルスが肺に感染して細胞に炎症が起きると、サイトカインがその細胞から分泌され、炎症を抑えるよう他の細胞に知らせます。
ところがこのサイトカインの分泌は他の免疫細胞からの更なるサイトカインの放出も誘発してしまいます。
その中には炎症系のモノも存在しており、こうした炎症系のサイトカインが更なる炎症を体内に引き起こして連鎖的にサイトカインが増えていきます。
サイトカインストーム
このサイトカインが大量に放出されるとサイトカインストームという状態が起こります。サイトカインストームは血液内で異常凝固作用を引き起こします。
これが血栓です。
大阪大学の研究でも新型コロナウイルス感染症で炎症系サイトカインが血栓を起こす事が確認されています。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)早期に サイトカインIL-6が血中に増加し、このIL-6が血管から血液凝固を促進する分子 PAI-1を放出することを発見。 このPAI-1により肺など多くの臓器で血栓ができる事が報告されています。
メタボのリスク

本来外部から菌やウイルスなどの異物が血管内に侵入した場合、凝固作用により血液の流れを抑えて異物が全身に広がらないようにする事は自己防衛の為に必要な事です。
しかし元々の基礎疾患などで血管に異常がある場合には血栓の大量発生に繋がってしまい、血管が詰まり各臓器がダメージを受けてしまいます。
新型コロナウイルスで重症化する人の特徴は男性、喫煙している、高血圧や糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病を患っている、肥満、悪性腫瘍患者様、などが挙げられます。喫煙や肥満や生活習慣病は血管の機能が低下すると言われています。また、男性は女性より一般的に血管の機能が低下している、血管が傷ついていることが多いと言われております。つまり新型コロナウィルス肺炎の重症化は血管の問題がリスクになっているのです。
こうして心筋梗塞、肺塞栓、脳梗塞、下肢動脈塞栓などの合併症が発生します。
立憲民主党の羽田元国土交通大臣がPCR検査を受ける為に病院に向かってる途中に急死した事は記憶に新しいところですが、羽田雄一郎参院議員にも糖尿病、高脂血症、高血圧などの基礎疾患があり、愛煙家でもありました。
サイトカインの抑制
このサイトカインストームは免疫系の暴走と言われていますが、そうした暴走を起こさないようにサイトカインを抑制しバランスを保とうとする機能が人体には備わっています。
それが制御性T細胞(Tレグ)です。
制御性T細胞(Tレグ)
制御性T細胞(レギュラトリーT細胞)はリンパ球の一種のT細胞のから変化したもので、抗炎症性サイトカインIL-10を産出し免疫細胞が過剰に働くのを制御し、アレルギー反応や炎症反応などを抑える働きをすると言われています。
子供や女性に重症者が少ない理由
T細胞の名前の「T」は胸腺を意味する「Thymus」に由来し、胸腺で生まれます。
小児のCOVID-19が軽症であることを、胸腺及びT細胞を鍵となる要素として考察しました。胸腺は胎児期・新生児期に活発に活動していますが、成人期に向けて萎縮しT細胞の減少につながります。
中略
成人男性に重症患者が多いとされていますが、男性の胸腺の退縮が女性より顕著であることも一因かもしれません。
このように胸腺とT細胞の発達の割合いを見ると、重症者に高齢者や男性が多いのも頷けます。
クロストリジウム菌
このTレグを作り出しているのは腸内細菌のクロストリジウム菌です。
クロストリジウム菌はウエルシュ菌など食中毒を起こす悪玉菌としても有名ですが、このクロストリジウム菌が腸内でTレグを作り出すというのです。
クロストリジウム菌は「酪酸菌」とも呼ばれており食物繊維を食べる事によって酪酸を腸内に放出します。
この酪酸が腸壁を通りリンパ球で免疫細胞を変化させてTレグが誕生します。
このTレグを活性化させる事で多発性硬化症など重度のアレルギーが改善されるといった報告がされています。
治療薬
海外では既に新型コロナウイルス感染症に対して有効とされてる治療薬として実際に免疫系の暴走を抑えるリウマチ薬が使用されています。
英国政府は「トシリズマブ」(製品名アクテムラ)と「サリルマブ」(製品名ケブザラ)という関節リウマチの薬を現行の抗炎症薬と一緒に投与する事で死亡リスクが24%減り、入院期間も短縮できたと発表。2021年1月8日からICUでの使用を始めました。
「トシリズマブ」、「サリルマブ」は共にサイトカインを起こすIL-6を阻害して関節リウマチの症状を改善させるという薬です。
またアメリカのトランプ大統領が新型コロナウイルス感染症で重症化した際に投与された「デキサメタゾン」も関節リウマチ等の自己免疫疾患に効くとされるステロイド剤です。
因みに関節リウマチとは、
関節リウマチ(RA)は、関節滑膜を病変の主座とする全身性の慢性炎症性疾患で、発症には自己免疫異常が関与すると考えられている。
とあります。
治療薬でも自己免疫異常を抑える事が重要視されている事が分かります。
ならば、その事を生活の中に取り入れる事が必要です。
【ACO活】その1 免疫を整える食生活
水溶性食物繊維を摂る
炎症系サイトカインを抑制するTレグを産出する酪酸菌の餌としては食物繊維の中でも特に水溶性食物繊維が良いとされています。
水溶性食物繊維は海藻類や穀類、野菜などに多く含まれます。
乳酸菌を摂る
また乳酸菌は腸内を通過するだけで定着はしない事が分かってますが、乳酸菌を取り入れる事で酪酸菌の増加させる効果はあるそうです。
LPSをとる
免疫機能を活性化するもう一つの物質として「LPS」というモノも注目されています。
LPSとは
LPSとは英語の「リポポリサッカライド」略称で日本語では「リポ多糖」と呼ばれる糖脂質を指します。
LPSは大腸菌やサルモネラ菌といったグラム陰性細菌の細胞壁の一番外側に埋め込まれている物質で、Tレグを刺激して好中球の炎症誘導を抑制します。
LPSは炎症系のサイトカインの産出もする事が知られているが、腸管内では炎症系サイトカインを誘導しないとの事。
尚、外界との接点に存在する腸管マクロファージや皮膚のランゲルハンス細胞はLPSで刺激しても炎症性サイトカインを誘導しないことが報告されており、LPSは生理的作用として生体恒常性維持に働く側面がある。
LPSは土の中や海中に多く存在しています。よってコチラも穀類や根菜、海藻類などに多く含まれます。(ただし農薬などにより土中の細菌が減ってしまうとLPSも減少してしまうそうです。)
これらの成分を含む食事を意識的にする事で免疫系統のバランスが徐々に整えられ、重症化のリスクを減らす事が出来ると考えられます。
まとめ
新型コロナウイルス感染症が重症化しない為に自分達で出来る活動(ACO活)としては、先ず免疫機能のバランスを保つ食生活が上げられます。
Tレグはサイトカインを制御する機能はありますが、急性のアレルギー症状には対応出来る程強力な機能は無いとのネット上の記載も見受けられます。
新型コロナウイルスの症状が出てからでは、その効果は期待出来ないかもしれません。
大切なのは暴飲暴食といった食生活を見直し、海藻類や穀類、豆、野菜といった日本人本来の食事で生活習慣病にならないよう普段の生活から気をつける事です。
一人一人が生活習慣病にならないように意識化する事が、結果的に日本の医療体制の維持に繋がっていく事にもなります。
新型コロナウイルスに関してはまだまだ未知の部分も多く血管や免疫の問題だけでは無いかも知れません。
しかし、分からないからと言って手をこまねいている訳にはいきません。医療体制の破綻は直ぐそこまで来ています。
今現在出来る事から私自身も始めていきたいと思います。

